忍者ブログ 〇〇の天使 てすと中MOON-NIGHT&LOVERS-KISS
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鹿島 円は、どきどきして待っていた。

それこそ、夢心地で・・・

待ち人を待っていた。

 


早く来ないかな・・・

まだかな・・・

 


わくわく、どきどき期待に胸が高鳴っていた。

ここだけの、「秘密」なんだけど、円は未だに「童貞」だったりするのだ。

今まで、「彼女」がいなかったわけではない、正確に言えば「彼女らしい人」は、

何人もいたのだが・・・

何故か、キスから先への次のステップに進まないうちに、自然消滅ってパターンが多かったのだ。

 

 

自分で言うのも、何だけど・・・けっこう顔はそれなり見れると思う。

極上のいい男とまでは、いわないけれど、中の上ぐらいではないかと自分では思っている。

告白されたことだって、何回も、いや何十回、いや何百回・・・、

とまではいかなくても、確かに何人かに告白されているのだから、

それなりにイケテルのではないだろうか?

告白されて付き合って、デートして、手を繋いで、キスをして・・・

でも、「何故だぁあああ~~!!」と思う。

それ以上へは進まないのである。

「本当誰か教えてくれぃーー」って叫びたい。

 


高校、大学とそのパターンを繰り返して、円は社会に出た。

大学の先輩から誘われて、就職した会社は、コンピュター業界では中の上に位置する、ハジマ・マイクロシステム社だった。

円は、そこの開発部に就職したのだ。


そこは、まさしく円にとって天国だった。

 

 

人間一つは、とりえがあるものである。

円は大学在中の頃から、プログラマーとして、稀有な才能を発揮していた。

入社してすぐに、ハジマ・マイクロシステムの本社である、MS社との共同プロジェクトを成功させた功績も大きく、

円は、好きなだけ研究費を使い、好きなだけ新しいプログラム開発に打ち込めたのである。

あと3ヶ月で就職して1年が経とうとした頃、開発部に新しい主任が、やってきた。

名前は、遠藤久実といい、黒い大きな瞳は吸い込まれそうで、長い髪の毛は

さらさらと長くて、背はすらりと高くて美人さんだ。

 


一見、冷たそうなのに笑うとすごく、かわいくて・・・・

 

 

そう、円は一目で恋に落ちてしまったのである。


かといって、どういう風に接していいものやら、さっぱりわからなかった、

今までは、相手の方からアプローチして来てくれていたので自分の方からアプローチなんてした事がなかった。

その上、一目で恋に落ちてしまった久美の夢を毎晩見ては、朝起きたらパンツを汚してしまっていたりする事もしばしばあり・・・・

 


円は毎朝、自分自身を情けなく思うようになった。

久美の顔を見ていたいのに、夢とはいえ、あ~んなことや、こ~んなことを・・・

してしまう自分自身を許せないし、恥ずかしくてまともに久美の顔が見れない日々が続いた。

 

 

円は悩んでいた。

悩んでいるうちに、あれほど大好きだった仕事にすら支障をきたす始末で・・・

その事がさらに円を追い詰めたのである。

 


そんな円の様子に、開発部の仲間が気がつかないわけはなく、

彼に寛大だった会社役員達も慌てだす始末である。

何せ、彼のプログラムを基に作った製品は売れに売れて会社に莫大なる利益を

もたらしていたのである。

その上、いずれ円は本社のMS社の開発部へ行く予定になっており、会社としても

円のあまりの腑抜け状態に手をこまねいて見ているわけにいかなくなっていたのであった。

 


会社側は、円の「腑抜け状態、何も手につかない。」原因を突き止めた、

理由は「恋煩い」であった。

 

 

会社にとって、何よりも問題であったのは・・・

相手が「遠藤久美」だという事であった。

 


会社側は毎日、検討会議を行った。

その結果は、今は様子見守ることになった。

 

 

一方、円の脳みそは腐っていた。

久美の方を見ては、切なそうに溜息をつき、視線が合うと真っ赤になってうつむく。

それはもう、典型的な恋する乙女と化した姿であった。

 

 

久美の方も、毎日切なげに溜息をつかれて、真っ赤になった円の姿にほだされてしまったのか、

何となく憎めないでいた。

だが、久美は自分の方からは何も行動をおこそうと思ってもいなかった。

円がモーションをかけてくるのを待っていたのだが・・・・

何のモーションもかけてこないのである。

 

 

久美の自尊心がゆらぎかける、今まで何人の男を手玉に取って世間を渡ってきたのだ、

気があるふりがしながら、この私をふり回すなんて許せない!!

もうすぐ、会社を長期休暇する久美には時間がなかった。

そこで、久美は勝負に出た。

またしても、久美と視線があったとたん、うつむき真っ赤になった円に久美は言った。

 


「鹿島さん、今晩私と食事を付き合ってくれません?」

 


円にしたら、晴天の霹靂であった。

ぱぁあああっと、笑顔になる。

 

 

「僕でよかったら喜んで。」

顔を真っ赤に染めて答える、透に久美はにこやかに微笑んだ。


うおおおぉおおお、綺麗だなあ。
円の脳みそは、完璧に腐っていた。

 


まだかなあ、まだかなあ。

久美さんまだかなあ・・・・

久美を待つ円の姿は、忠犬ハチ公のようであった。

 

 

「お待たせ、鹿島君」

久美の声に円の緊張感は高まった。

 


「待ち合わせして、食事して、家まで送っていく」

円が考えた今日の予定であった。

頭の中で、繰り返しながら予定はこれで完璧だと思う。

(馬鹿である・・・)

 

 

「デート」は予定に沿って進んでいた。

食事を終え、円は言った。

 


「家まで送って行きますよ」

・・・言えた~~~

カッコよく決まったかぁああ

僕ってカッコいいかもおお・・・・

 


が、次の瞬間・・・円の意識はふっとんだ。

久美が・・・恥じらいながら・・・言ったのだ。
(注、円にはそう見えた。)

 


「これからは、大人の時間を過ごしませんか?」

・・・・大人の時間・・・

 


真っ赤に染まる円を見て、久美は微笑む。

 


「部屋予約してるんです・・・」


頬をほんのり染めながら言った、久美を見て、


「僕がしっかりしなきゃどうするんだ!!」と、円は思った。

 


普通、女の方がホテルを予約するはずがないって事に、

円は気がつかない。(馬鹿である、世間知らずだ。)

 


部屋についた頃には、がちがちに硬直していた、

仕方あるまい「生まれて始めての経験」になるのだから。

緊張して震える円を見て、久美は浮き立ってくる

 


「緊張してるのね・・・・かわいい」

久美にキスをされ、首筋に息を吹きかけられて、

「あっ・・・」と甘い声を出した円は、自分の声に赤くなって、うろたえる。

ぽんっと、軽く肩を押され、あっけなく円はベットに倒れ込んだ、

その円の両足の間にまたがるように、久美が上に乗りながら、

手早く、服を脱がせていった。

 

 

円の脳裏に「?」マークが浮かんだ。

この、太ももにあたる堅い感触はなんだろう・・?

 

 

 

「嬉しいわ、かわいがってあげるわね、本当は抱かれるほうがいいんだけど・・・
鹿島君を見てたら、抱きたくなったわ。」

 


久美にあでやかに微笑まれ、パタパタと羽を広げて天国へ昇る気分になるはずの、
円は、舞い上がりかけて羽が止まる。

 


・・・・あれぇ?どうして「抱いてみたくなる」んだ???

疑問が浮かぶが、下半身に手を伸ばされて、その瞬間に疑問はふっとんだ。

 


ぴくりと反応したそれを久美は口にくわえる。


円は、生まれて初めての感覚に素直に身体をよじって、歓喜の声をあげる、

 


「かわいいよ・・・」

 


耳元で、囁かれてぞっくとする。

 


あれ?・・・何か声低くない?

太ももにあたっていたものが、一段と堅さを増した気がしてならない。

・・・何だろう?

その疑問も、久美が円の胸にぽつんと咲いている花弁に触れられた時感じた快感に翻弄され、消えていく。

 


いじくられ、ぴんとたつ花弁を久美は飽きるまで触っている。


快感を感じている円の声だけが部屋に響く。

 

 

「あ・・・ん・・」

「いやぁ・・・」

 

久美は、限界までに張り詰めてのぼりつめようとするモノに手を触れ、

2~3回軽くしごいた。

 

 

「あっ・・」


円は、生まれて初めての快感に身体の力が全て抜けきっていた。

 


「気持ちよかった?」

 

聞いた、久美は円の頬が染まっているのを満足そうに見て微笑み、

 


「じゃあ、今度は私が・・・」

 

そう言って、初めて久実は服を脱ぎ始める。

 


パンツスーツのジャケットを脱ぎ、

シャツのボタンを、一つ一つ外していく久美の姿を、

円は照れながらも魅せられたようにじーっと見つめていた。

 


そして、そこに現れたものはふくよかで豊かな胸ではなくて・・・

引き締まった見事な体。

 

 

「へっ!!」

 


素っ頓狂な声を円は出した。

手早く全ての衣服を取り去ったそこには、あるはずのないものがあり、

りりしくおったっている”それ”は円の”それ”よりもはるかに立派である。

 

受け入れる事の出来ないショックに驚き硬直してしまった円は、

ころんとうつぶせにされて本来なら排出すべき所を指で触られのけぞる。

その行為の意味は、知識としてなら知っていたが、まさか自分がなんて・・・

思いもしない。

 


ぐりぐりとほぐされ、少し弛んだそこに指を入れられて、

痛みを感じる。

 

 


「痛い」

 

 

痛みで我に返って抵抗しようとするが、すごい力で押さえつけられて、
身動きすら出来ない。

 


円の瞳から涙がこぼれた、久美は涙に気がつくと、
嬉しそうに微笑む。

 


一瞬、その顔にぽーーっとなる円は、耳をついばまれ、
「気持ちいいの?」ささやかれ、ぞくりと感じてふるえた。

 


円は、感じる己の身体を呪う。

堅いものが、そこにあてられ・・・・

 

 


・・・あ・・・っと思った時に、
サイドテーブルに置かれた携帯がぶるぶると震えた。

 


久美は飛び起きると、携帯を見て、

 

 

「あっ!」

 

 

嬉しそうに叫び、久美は、幸せそうに微笑み、円を見て言った。

 


「ごめんね、彼からメールが入ったの、鹿島君はすごくかわいくて・・・つい心が
動いたけど・・・」

 

 

ばたばたと慌てて服を着込み、慌し気に扉の方に行った久美は、
ベットに横たわったままの円に言う。

 

「はじめ、私がいない間に入社して、みんなに愛されかわいがられてる鹿島君が嫌いだったの
でも、今ならわかるわ。だって、鹿島君って、ちっちゃくてかわいいくて、
私でさえもその気になって「抱きたく」なったんだもの本当かわいい、
最後のいい思い出になったわ、ありがとう私ね、今度海外で完璧な女になりに行くの・・・
彼に今以上に愛されるためにね・・・本当にありがとう・・彼がいなかったら・・・・
私、本気で鹿島君を好きになっていたわ。」

 

 

ベットで呆然としてる円の髪を、優しく撫で、濃厚なディープキスをして、
久美は去っていった。

 

 

そのキスにさえ、円は身もだえして感じたのだった。

 

 

しばらくして、正気に戻った円は、久美の事を考えていた。

 

 


久美が、男だった事もショックなら、男に感じた自分にもショックを受けた。
だが、女性と勘違いしていたとしても久美の事は本当に好きだった。

 

 

・・・それに、気持ちよかったし・・・・

 

 

不思議と、嫌悪感は沸いてこない。
驚きはしたけれど。

 

 


でも・・・なんだ?

 

 


「今度、手術して『完璧な女になるの』」
「彼からの電話」

 


彼=彼氏
久美は今度女になる手術を受ける。
久美は女として彼を愛しているんだろう。

 


??

 

「私ですらその気になって「抱きたくなった」????

 

 

それって?それって?それってえええええ?

 


久美は、男だけど・・・女性になりたかった。

そして、彼をもちろん女として愛していて・・・

それで、久美を女として愛している彼氏がいて・・・っていう事は?

僕は、本来は「女以上に女である事を意識している久美」を「抱く気」にさせたのか?

 


「かわいい?」
「ちっちゃくてかわいいから?その気になった??」
「愛されている??」

 

 

ちっちゃくて、何が悪いーーーーー、今まで一度も気にした事なんてない、

165センチの何処が悪い!!

 

 


円は、絶叫した。

 

「ちくしょおおおおー!!身長を伸ばしてやる~~~きたえてやる~~もりもりだあ~」

 

どこで、どうしてその決意に辿り着いたのかは、本人にも、誰にもわからない。

 

 

鹿島 円、プログラマーとしての稀有な才能で、天才の異名を取る男だったが、
その夜ショックと混乱と疑問に脳みその回路が、「プッツン」と切れた事により、
人生を大きく変えることになる・・・・・

 

 

 


終幕

 

 


「余談」


鹿島 円は、異様に男にモテタ。
それも、将来有望なカッコいい男にばかりモテタ。
その男達に憧れていた、女の子達は透を目の敵にしていた。

そう、そんな女の子達は始めはからかうつもりだったのだ、
円に、告白して、その気にさせて、突き放して、捨てる・・・つもりだったのだ。

一人目・・・
告白した彼女を、照れながらも一生懸命エスコートをしようとした円に、
遊びなれた彼女の母性本能をくすぐり、キスまで辿り着いた時には、彼女は
母のような心境になっていた。

無邪気な笑顔で慕って来る彼の純粋な心を傷つけたくない、
守ってあげたいそう思い、一度彼女は立ち去り、円を遠くから見守る。

そのパターンを繰り返していたのだ。
円は・・・

彼を狙う全ての悪しきものから、守るために彼女達が「鹿島君の操を守る会」
なる物を作っていた真実を円は知らない・・・

きっと、一生しらない、知る事もない・・・(爆)

 

 


おわとっけ


 

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