忍者ブログ OK3 てすと中MOON-NIGHT&LOVERS-KISS
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OK3

 

授業を受ける気分じゃなかった。

さぼる事を決めて、生徒会室に向かう途中でそいつに会った。

遠目からでも、そいつが今にもぶっ倒れそうなのがわかった。

ふらふらと歩いてて、まっすぐに歩けていない。

気分でも悪いのだろうと、声をかけようとした。

その瞬間、そいつの体がぐらりと傾いた。

慌てて駆け寄り、そいつを抱き止めようとした・・・

が、全速力で走った勢いだけはどうしようもなく、俺はそいつを抱えたまま見事にすっころんだ。


「痛ぇー」


俺の、両膝はすりむけていた。

とにかく、保健室だよなあ。

俺の膝にしても、こいつにしても・・・・

俺は、立ち上がりそいつを抱きかかえた。

その時、俺は初めて自分の腕の中にいるそいつの顔を見た。

 

透き通るような白い肌、苺のように赤い唇。

額にかかる髪の毛は、金色だった。

そいつは、とても綺麗で・・・・

唯、見惚れていた。


そして、そのまぶたがぴくりと動いた。

 

ーーー気がついたのか?

 

俺は、息を潜めてその瞬間を待った。

瞳は、何色なのか・・・・

俺は、知りたかった、見たかった。

 

そして、ゆっくりと瞼が開き、その瞳が開かれる。

その色は、透き通った深緑の森・・・

・・・・俺は息を呑んだ・・・

しかし、その瞳を見れたのは、僅か一瞬の事だった。


「あ・・・うぅ・・・」

苦し気な声をあげて、その瞳はまた閉じられた。

俺は、その声に我に返り慌てて保健室へと向かう。

 

病人を運ばずに、こんな陽射しのきつい所でぼっとしてるなんて・・・
今の、俺って・・・・どれだけ見惚れてたんだ?

 

そんな事を思いながらも、俺は腕の中のそいつを落とさないようにきつく抱きしめた。





 

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2009,06,21

素敵サイトさま、1件。1月31日。じゅん創作、運命は、奪い与える。本編、番外。全掲載完了。
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