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きつく抱きしめられ・・・
耳元に「好きだ」とささやかれる・・・
そのまま床に押し倒された・・・
あの人の黒い瞳には、僕が映ってた・・・
簡単な事だ、認めてしまえば何て事はない。
そう・・・簡単な事なのに・・・
こう、言えばいいんだ。
「僕も好きです」って。
でも、言えやしない、言ってはいけない・・・
認めるわけには、いかない。
この感情を・・・認められるわけがない。
「好き」だと言われて嬉しかった、泣きたいほど・・・
でも、あの人の感情を受け入れるわけにはいかない。
そして僕の感情をさらけ出すわけにもいかない。
だから、言った。
「かなり酔ってますねえ、それとも彼女いないから溜め込んでるですか?」
笑顔すら浮かべられた。
黒い瞳が大きく見開かれて、僕の顔をじーっと見つめた。
強い視線で、揺るぎ無い視線で僕の感情を探るように・・・
その視線に負けそうになるのを必死に押さえる。
「そうか・・・酔っているのかもしれないな・・・」
そう言うとあの人は、僕の上から離れて行く・・・
嫌だ、離れて欲しくない・・・
もう少し、温もりを感じていたい・・・
無意識のうちに、あの人の首に腕を絡ませてる・・・
「僕も・・・少し・・・溜め込んでるんです。
だから・・・気持ちいいこと・・・しませんか?」
ドキドキした・・・
あの人はが誘いに乗ってくるだろうか・・・
それは、わからない・・・
でも後悔はしない・・・
驚いように、聞かれた。
「お前、誰とでもこんな事をするのか?」
誰とでも、簡単に寝ると思われたんだろうか?
僕は、笑ってしまった・・・
それを肯定だとあの人は思ったみたいだ。
ああ、駄目なんだ・・・・
「慣れているのなら相手してもらおう、ちょうど溜まっている」
深く口付けられ、舌を絡めとられた瞬間、僕の意識は・・・とんだ。
覚えているのは、悲しそうな瞳、
深く深く打ち込まれた熱い塊、
何度もいかされた、
「嫌だ」と言っても離してくれなかった、
抱きしめられ、「何故だ?」聞かれた気がした。
気がつくと、朝だった。
あの人は僕を胸に抱え込むようにして寝ていた。
涙が出そうだった。
そっと、腕の中を抜け出した・・・
起こさないように。
僕がシャワーから出た時には、あの人の姿はなかった。
そっか、帰っちゃったんだ。
身体が引き裂かれたように辛い・・・
堪らずベットに転がった・・・
あの人の香りが残っている・・・
僕は泣いた・・・
あの人の温もりを思い出して・・・
終わり