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なあ、巧。
俺はチャンスをやったんだ。
俺から、離れられるチャンスをやったんだ。
だけど、お前は俺の側にいるって自分で選んだ。
だから、ずっと側にいろよ。
なあ、巧。
「チャンス」
まるで空気のように
その存在は俺の側にあった
いつも
振り返れば、その姿は視界にあって。
振り返れば当たり前のように、その姿はそこにあったから。
いつしか、その姿が見えなくなるといつの間にか不安を覚えるようになった。
まるで、空気のようにそこにいてあたりまえの存在。
否、俺の側にいてこそあたりまえの存在。
いつしかそう思ってた。
初めて、それを耳にした時は息が止まるかと思った。
頭が、痛くなって目の前が真っ暗になった。
『最上の言いなりになりやがって、自分の意志はないのかあいつは!』
長い付き合いだ。
気がつけば、いつもそこにいた。
だから、その時間がずっと、続いていくんだと。
そう、思っていた。
それを耳にするまでは・・・・
俺は、それを聞いて不安になった。
お前が、どうして俺の側にいてくれるのかがわからなくなったから・・・
幼い頃からの延長で「側」にいる事が当たり前になってるから?
もしかして、本当は俺から離れたいんだろうか?
もしかして・・・・
今まで、考えた事がなかったから・・・・
俺の側にいないお前なんて・・・
だけど、もし本当にお前が俺から離れたいと思っているなら・・・
そんなのは、嫌だけど・・・
もし、お前がそう望むのなら・・・・
そう思い、俺は聞いた。
「なあ、巧。お前は、俺と一緒にいるのは嫌なのか?」
だけど、お前はこう言ったよな。
「いいえ、俺は海里さんの側にいたいです。」
お前は、知らないだろう。
その時、俺がどれだけ嬉しかったか・・・
なあ、巧。
お前は、知ってるか?
終