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鹿島 円はいつもよりそわそわと落ち着きがなかった。

その理由は、彼に後輩刑事が出来るという単純なものだ。

後輩といっても、東大法学部卒業のキャリアで数年もたてば本庁に戻る人物であった。

だが、そんなこと円には関係がない。(考える頭がないというのが正しいかもしれない。)

後輩が出来たと円のテンションは、ハタ迷惑なほどに高まっていたのだから・・・

 

 

だが、円が●●署の刑事課に来て2年。

2年もたつと、人は影響を受けるのか・・・

 

円のハイテンションにも慣れたもので、周囲は微笑ましく見守っていさえいる。

そう恐ろしい事に、あれから2年の月日が流れていた。

 


その間、相変わらず妄想と暴走力でぶっ飛んではいたが円は彼なりに刑事として働いていた。

手柄といえるものは、何も立ててはいなかったが・・・

へまをするわけではなく(これは、周囲のフォローが大きい)先輩刑事にも可愛がられ・・・・

いや、●●署中の職員に可愛がられていた。

 


そうして、円の待ち焦がれていた後輩君が登場した。

彼の名前は、細山 明良。

 


その彼だが、円と気が合い・・・

一週間とたたないうちに周囲になじみきっていた。

 

そう、いずれは本庁へ戻るのにそこまで馴染み切ってもいいのだろうか?

逆に周囲が、そんな心配さえするほどに溶け込んでいた。

 

 


そうして、月日は瞬く間に流れて。

円が刑事として、3年目。

 


●●署管内で、連続殺人事件がおこった。

そして、署内で本庁から捜査のTOPを迎えて捜査会議が開かれていた。

 

 

誰もが、真剣な顔をしている。

その中で、一人だけ浮かない顔をしている人物がいる。

 


そう、それは円だ。

彼が、浮かない顔をしている理由は・・・

会議室の前方にいる一人の男が、原因だった。

 

 

円は、捜査の指揮をする新沢慶一が・・・

なんだか、と~ってもと~っても苦手だった。

 


確かに、細山、真奈美さんが言うように三つ揃えのスーツを着て、

黒いコートをなびかせ、規則正しく歩く姿は、「ザ・警察官僚」そのものでカッコいいのかもしれない。

カッコいいと思うけど、その新沢の瞳がいけなかったのだ。

黒い大きな吸いこまれそうな瞳がいけなかったのだ。

初めて見たとき、思わず「げえー」て叫んでた。

驚いたのだそれほど似てた。

 

 

会社にいた頃、一目ぼれした「遠藤久実」に似てると思ったのだ。

でも、それは瞳だけだった・・・顔の系統は似ているけど・・・

どこから見ても、男としか見えない姿をしている。

 


堅そうな髪は後ろにきっちり固められてるし・・・いつも、眉間に皺を寄せている。

何か深い悩み事でもあるのかな?


円は、少しだけ心配したぐらいだ。

 


でも、本当にあの人苦手だ。

あの瞳は、久実を思い出させる。

 

はあ、今は幸せに彼氏と暮らしているのかな・・・

ああ、気持ち・・・(自主規制)

 

 

ーーーー「久実」の事を思い出すと、今でも胸がときめく円だが・・・

 


男だった久実を女だと思って恋した。

本当に、好きだった・・・真剣な恋だった・・・

 

ーーーー気がつくと、こうだ。


本当に・・・・・・・気持ちよかったなあ・・・・

そう相変わらず、円は童貞だった。

童貞だったが、ゆえに久美を忘れられない。

忘れられないから、思い出すのは・・・になるのだろう。

 

さて、円は知らないうちにぼんやりとしていたらしい。


「鹿島君~~、円君~」


上司である、牧田課長に名を呼ばれて気を引き締め直すが・・・

 

「円君、本庁まで新沢参事官をお送りして」との言葉。

 

ーーー嫌だなあ。


と、円は思ったのがそのまま顔に出て・・・その後、懇願するようなうるうるする瞳で牧田を見つめた。

その顔を見た、牧田は円の頭を撫でたい衝動にかられるのを必死に押さえつけた。

 


・・・・そんな顔しても駄目・・・・

 


「はい、いって行って~そのまま直帰していいからね」

「はあい~」

 

と、不貞腐れた子供みたいな返事になる円を笑顔で見送る牧田課長であった。

 

 

あーあ、と思いながら円は歩く。

今は、なぜか新沢と円は「理想」を「共鳴」しあう仲良しだと巷では思われているらしい。

でもって、いまいち円本人はどうしてそうなってしまったのかな?

なんて、思ってたりするのだ。

 


●●署に来た頃、思い込みの激しかった円は・・・

まるでテレビドラマのような、日々を過していた。

さんざん、刑事ドラマの見すぎと、小説の読みすぎで頭をくさらせ、さらに妄想癖までパワーアップし・・・

 

そう、今でもだが・・・完全に頭を円は現実と妄想の判断がつけなくなるぐらい突っ走っていたのだ。

某テレビで仕入れたセリフを吐き、気がつけば「問題児」となっていた。

それでも、おかしいと思ったのは本当だった。

 

何がおかしいって、本庁と所轄の情報のやり取りがないのだ。

そのおかげで、何度怖い思いをしたかわからない円である。

 

それに、会社にいた頃は、自由に情報を得て、日々研究にいそしんでいた円だ。

そんな円の天職は本来ならば、プログラミングだ。

プログラミングの命は、情報だ。

 

もう、円にしてみれば・・・情報がないというのはおかしいよ!!

それに、なんてアナグロな世界なんだ!!

って、切れた日々を送っていた。

 

そんな中で、某ドラマの影響ももろに受けていた円は・・・

新沢に、絡みまくったのを都合のいいことに忘れ去っている。

 

なお、当時に円が新沢に絡みながら言った言葉は・・・

 


「僕は、この世界では絶対に出世は無理。だから、新沢さん早く上にあがって、権限でもなんでもつかちゃって僕に最優先で情報をください。」

 

その頃に、ちょっとだけ現実に戻ってきていた円は怖い目にあいたくなかったのである。

それに、根本的には人のいい新沢の事だ。

応援している人間が、いるってわかれば頑張るに決まっている。(決め付けだ)

 

ついでに、出世すればそのうちに新沢の事を見なくてすむ。

見なくてすむということは、久実のことも思い出さないですむだろうなんて打算もある。

 

 

久実さん・・・・

またもや、ぽーとなりかけた円である。

 

 

そんな円を、新沢は見ていた。





 

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