月と花火２

今日も、残業か。

時計の針は、8時を過ぎていた。

まったく、こんなにあくせく働いても残業代はカットだし・・・・

それでも、働かなくちゃいけないのが辛いねぇ。

俺は、一人残った部屋でぐちっていた。

さてと、まずは腹ごしらえでも・・・



俺は、やりかけの仕事を後回しにする事にしてコンビにに向う。

会社の外に出て、５～６歩いた所の曲がり角で・・・・




俺はすごい、人ごみに出くわした。

今日は、何かあったのか？

浴衣を着ている女の人・・・

いちゃいちゃしているアベック。

人が、これから残業だっていうのに・・・・




ドーン

という音に俺は思い出した。



IMG_7370 posted by (C)Mぞう






ああ、そういえば今日は花火大会だったと・・・


ま、俺には関係ない。

そう思い、俺は人ごみにもまれながら何とか、コンビにまでむかった。





ドーン

ドーン


次々に、花火が打ちあがる音がする。

気がつけば、いつしか俺も人ごみに混じって夜空を眺めていた。



ああ・・・綺麗だな・・・

素直に思う。



そういえば・・・思い出すな・・・

学生時代は、仲間と花火をしたのを・・・

俺は不意に、口元が弛むのを感じた。

必死に、堪えてはいるけど、噴出すのは時間の問題な気がしてきた。

俺は、鮮明に思い出していた。

仲間で一番仲のよかったあいつ・・・

あいつは、ねずみ花火が苦手で・・・

仲間と花火をする時に、俺は必ずあいつに、ねずみ花火を投げつけた。

あいつが、大きな声をたてて逃げ回る姿が可愛くて・・・。

子供みたいに無邪気だったから・・・

いつも、最後には膨れた顔をして俺を睨む。

それで、俺はいつも謝ってたっけ・・・

俺は、とうとう噴出した。

コンビにの前で、夜空を見ながら一人笑っている俺ははたからみたら間抜けな事だろう。

それでも、いいかと俺は思った。

久しぶりに、穏やかな気分になれたのだし。

そういえば、ここん所あいつとも会ってないな。

今度、連絡とってみるか・・・・

明日にでも。

俺は、コンビにで買った弁当を持って会社に戻った。

心が、少し軽くなった気がしていた。

夜空を眺めれば・・・

綺麗に花咲く花火と・・・

綺麗な月が出ていた。





おわり