忍者ブログ 運4 てすと中MOON-NIGHT&LOVERS-KISS
       暇人作成妄想創作BL風文字屋主文書副絵詩色々
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 

 

 

 

一人だ・・・

きっと、俺は最後の瞬間を一人で迎えるにちがいない。

 


孤独な死・・・

存在の消え去る日・・・

 


耐えられるだろうか?

 

頼れる身内など・・・・友人などいない。

あの人たちに話すことは・・・できない。

心配かけるだけだし、仕事もさせてもらえなくなってしまう。

 

 


岬さん・・・

あの人に話す事なんかじゃないのに・・・

どうして・・・

どうして 俺は、ここで岬さんの事を思い浮かべるんだろう?

俺は・・・

 

 

 


「刑事を続けたいんです。」

 

 

・・・嘘だった。


俺は、入院するのが嫌だった。

家族が見舞いに来てくれる人がうらやましくて・・・

家族が居たら・・・

母が居たら・・・

父が居たら・・・

 

 


ずっと、一人で生きてきたのに・・・

もうすっかり慣れていたはずなのに・・・

 

 


あれは刺されて意識が戻らなかった時・・・

そばに直美さんが居てくれた。

目を覚ました時に一人じゃなかった。

俺のために涙を流してくれた。

人の温もりに飢えている自分を、あらためて思い出させる出来事だった。

 

 

もちろん仕事の仲間達も、心配して見舞いに来てくれた。

 


あの陰険で、俺を煙たがっていたはずの榊さんさえも・・・どうしてか来てくれた。

 


それぞれ仕事があるのに・・・

みんな忙しい時間の合間に来てくれた。

わざわざ時間をとって・・・

 


嬉しくなかったといえば嘘になるが・・・

でも、無理してほしくなかった。

だから、皆を追い返した。

ひねくれていたのかもしれない。

誰かに、甘えたかったのかもしれない。

 

 


でも、この時にはっきりとわかった事がある。

自分の中での、あの人の存在の大きさ・・・

あの人の温もりが欲しい・・・

 

 


今の俺は・・・

暗闇の中にいるみたいだ。

救いのない・・・

暗闇・・・

 

 

「誰か助けて!!」

 

そう、叫びたくなる・・・

自分がこんなに女々しいなんて知らなかった。

もう、一人にはなりたくない。

一人で居る事が怖い。

だから、仕事をしていたい。

皆の顔を見ていたい。

仕事さえしていれば・・・

またきっと・・・

あの人と・・・

 

 

誰かに側に居て欲しい。

誰かに?

いや、誰かにではない。

 

 

側に居て欲しいのは、たった一人・・・

見舞いにも来てくれなかったあの人。

いや、一度だけ来てくれたらしい。

直美さんの話しだと、リハビリの様子を物陰から見て、そのまま帰っていったらしい。

わかっていた。

でも、本音を言えば・・・

一度ぐらいは顔を見せて欲しかった。

わがままだろうか?

 

 


なぜ岬さんのことばかり考えているのだろう。

 

 

どうして・・・

本当は、わかっている。

俺は、あの人を好きになってしまった。

友人とか、信頼できる上司とかではなく・・・

まして、「約束」の共有者とかではなくて・・・

 


一人の人間として・・・

いや、異性を思うような気持ちで・・・

恋愛感情として・・・

好きだ・・・

でも、一生黙ってるつもりだった。

あの人は、キャリアなのに、俺はただでさえ迷惑をかけている。

だから、入院してからこっち、連絡さえとっていなかった。

あの人からの連絡もない。

岬さんが遠くなるのを感じながらも、

これでいいのだと思っていた。

 


あの人は、「約束」を忘れる事はない。

きっと、二人の理想を実現してくれる。

そのためには、俺があの人の足を引っ張てどうする。

 

そう思ったから・・・

会いたい気持ちをずっと、抑えていた。

 


でも・・・

一人でいるのはもう・・・

 

 

 

 

嫌だ。

心細いのは嫌だ。

 

 

 

 


残された時間、自分の感情の赴くまま生きても許されるんじゃないか?

わがままになっても許されるんじゃないか?

 

 


そんな思いが、心を支配してしまい消し去る事ができない。

 


怖いんだ・・・

側に居て欲しい・・・

 

 


岬さん・・・

 

行き場のない想い・・・

伝える事などできるはずもない。

あなたを恋愛感情で好きですなんて言って・・・

 

 

軽蔑され・・・嫌われたら顔を見ることもできなくなるかもしれない。

そんなの耐えられない。

それなら、今のままでいい・・・

いや、それだけじゃ嫌だ!!

今までと何も変わらない・・・

 


「約束」を共有する関係よりも、ほんの少し進んでも許されるんじゃないだろうか?

 

 

友人・・・

友人になれたら、少しは会う機会が増えるだろう。

 


キャリアのあの人とノンキャリアの俺・・・


友人になれるのだろうか?

 

 

友人になったら・・・

その次は?

 

 

俺には、次はない・・・・

それなら・・・

どうなってもいいから・・・

 

 

あの人の「特別な存在」になりたいと思う・・・

嫌がられたら?

 

 

その時は・・・

ああ・・・

 

 

その時は、あの人の目の前で死んでしまえばいい・・・

そうすれば、あの人の心の中から俺が消えることはないだろう・・・

 

 


最悪だよね・・・

そんな事になったら・・・

 

 


でも、どんな形であれ 俺はあなたの心に残りたい。

きっと迷惑だろうけど・・・

でも、最後の迷惑だから・・・

 

 


いいよね。

許されるよね。

・・・ね。

 

俺は決意した。

岬さんに会おう・・・

 

 

 

 

PR
since 2009/01/17~
ぱちぱち♪ーー更新履歴ーー
★--更新履歴--★
2009,06,21

素敵サイトさま、1件。1月31日。じゅん創作、運命は、奪い与える。本編、番外。全掲載完了。
ただいま、運営テスト中
かにゃあ♪
メインメニュー
goannai
goannai posted by (C)つきやさん
猫日記、ポエム、絵本など。
プロフィール

引きこもり主婦、猫好き、らくがき、妄想駄文作成を趣味。
ブログ内検索
P R
忍者ブログ [PR]