祈る、願う。序

祈り・・・
願う・・・

どうか、この想いが・・・
気付かれませんように・・・



祈り・・・
願う・・・

どうか、この想いを・・・
消し去って下さい・・・



ああ・・・
もしこの気持ちを消し去る事が無理なら、せめて・・・


隠し通す事が出来ますように・・・



祈り、願う。




叶うのだろうか・・・この願い・・・

抑えきれるだろうか・・・この想い・・・













好きになってはいけない人を好きになった。

自覚したのは、つい最近の事だ・・・


その時に・・・
真っ先に考えたのは、『この気持ちを知られてはいけない』って事だった。




何故なら・・・
僕は、既に嫌われていたから・・・

だから、これ以上嫌われて・・・
その上、軽蔑なんてされたら・・・僕は生きてなんていけない。

もしも・・・
この想いを・・・
こんな汚い気持ちを知られてしまったら・・・・

きっと・・・蔑まれ、切り捨てられるだろう。

そう・・・

簡単に・・・
何のためらいもなく・・・

切り捨てられるだろう。

今までだって、何回もそういう場面を見てきた。
あの人が、簡単に人を切り捨てていくのを・・・・一番近くで見ていた。


ましてや僕は・・・一応、身内だから・・・

なおさら、あの人の怒りは、激しく・・・
冷たく僕を拒絶するだろう・・・

だから、消し去らないと・・・
押さえ込まないといけない。

こんな感情・・・
こんな・・・・想いは・・・・

早く・・・

消し去らなきゃ・・・いけないのに・・・

とめられない・・・

とまらない・・・