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あなたが、俺に「生きて」と望んだから
俺は、今も生きている。
だけど、あなたの最後の願いだけはきけそうもないよ。
ーーー俺は、幸せだった。
短い日々、夢のような日々。
あの日々があるから、俺は今も生きているんだろう。
この先、何があろうとも。
あの日々が、あったから俺は生きていける。
あの人は、自分の事は忘れろと言った。
そして、誰かを愛せと言った。
俺は、ああーーーとあなたが望む返事をした。
他の返事なんて、浮かばなかった。
だけど、ああなた以外の誰を愛せる。
どうして、忘れることなんて出来る。
俺に、感情を与えておいて・・・
俺を、一人置いていこうとするあの人。
あまりにも短い日々。
あの人は、自分の命の終わる日を知っていた。
短い日々を好き勝手に生きるんだって。
だから、俺をひっかけたんだって言った。
それでも、俺はあの人に出会って。
初めて恋をした、初めて人を愛した。
空虚な世界に、光がともった。
ああ、その返事であの人の心が楽になるのなら。
何度でも、偽りの言葉を吐こう。
悔いなく逝けるように、安らかに逝けるように。
だけど、あの人以外などアイセルわけがない。
あの人を忘れるわけがない。
これからの先は、俺にとってはおまけのようなもの。
俺は、幸せだ。
あの日々が、あの人と過ごした日々があったから。
これからも、生きていける。
また、季節が巡る。
あの人の逝った季節。
あの人の好きだった季節が巡る。
end
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