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きっと、また失ってしまう。
それなら、初めから望まない。
何も、望まない。
「もう、何も望まない」
小さな頃から、ピアノを弾いていた。
ピアノを弾いてさえいれば、誉められた。
だけど、弟が生まれピアノを弾きだすと誉めてもらえなくなった。
弟には、才能があった。
才能のない僕が、ピアノを弾く意味なんてなかった。
そして、僕は親に見捨てられた。
別に、恨んでるわけじゃない・・・。
唯、思うだけ。
僕は、何の為に生きているのか?
そう、思うだけ。
世界中を演奏会で世界中を飛び回る家族。
そんな家族に、家なんて必要なかった。
だから、僕が10歳ごろまで、育った家は売り払われた。
毎月振り込まれる多額のお金と、月に一度かかってくる電話・・・
それだけが、僕と家族を繋いでいる。
一人で暮らすには、広すぎるマンション。
その中で、僕は時折気が狂いそうになる。
ーーー寂くて、たまらなくって・・・
だから、寂しさを埋める為に、夜の街に飛び出した。
そこで出会ったあの人達・・・
あの人達が、僕に居場所をくれた。
一緒にいれて、楽しかった。
なのに・・・
どうして・・・・?
僕は、また居場所を失っていた。
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