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家を出ると、一段と寒かった。
ふと、見上げた空が、灰色で寒さをいっそう感じて嫌になった。
楽しそうに話しているクラスメート。
教室の中で、席についているのは自分だけ。
別に、うらやましいとか思わない。
少しだけ、いいなと思うだけ。
話かければいいのに、何を話しかければいのかわからない。
わからないから、話かけない。
でも、やっぱり一人は寂しいと思う。
それらを、ごまかすように両耳にイヤホンをつける。
目を閉じると、真っ暗になる。
聞こえてくるのは、好きな曲。
兄が、聞いていたアルバム。
英語の歌。
洋楽。
歌詞の意味はわからない。
ただ、声と曲が気に入った。
それを、ipotに入れて持ち歩く。
聞いている間だけ、ほっとする。
はじめ、音楽を聴き始めたのはどうしてだっけ?
ああ、一人でも平気装うために・・・だっけかな?
それらがいつしか、精神安定剤のようになった。
4月、始業式。
スタートに、躓いたのに気がついた。
仕方がないかと思った。
強がりもあるけど、集団行動は苦手だ。
だが、学校には行事というものがある。
体育祭、校外学習etc・・・
それらを、集団で行動する。
集団の中でも、班分けという名のグループを作る。
それらの全てが苦手だ。
だけど、やっぱり一人は時々は寂しいと思う。
だから、本当に驚いた。
「その曲、俺も好きなんだ。」
そう、君が声をかけてくれて嬉しかった。
君と初めて帰った時に、見上げた空は・・・
やっぱり、曇っていた。
だけど、君が隣にいるからなのかな・・・
僕は、不思議と寒いとは思わなかったんだ。
end