忍者ブログ シリーズ てすと中MOON-NIGHT&LOVERS-KISS
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花束を君に贈る

太陽のようだった君にふさわしい

向日葵の花束を

 

夏に咲き誇る向日葵

太陽の化身のような向日葵


私は、向日葵の花束を

君以外の誰にも贈らない

一生・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

向日葵  

 

 

 

 

 


急ぎ足で歩いていた彼は、ふと何かに目を奪われ、誘われるままに花屋に入った。


彼が、目を奪われたのは・・・

向日葵の花・・・

 

 


太陽の化身のような花

向日葵

 

 

 


彼の心の中で、向日葵の花は、ある一人の人物と重なっていた。

夏の陽射しがよく似合う男だった。

その笑顔は太陽のように眩しく、

見るものを魅了してやまなかった。

最後の瞬間まで・・・

 

 

 

 

「向日葵か・・・」

 

 

 


花言葉は、献身、愛慕、高慢、光輝・・・

 

 

 

まるで、お前のようだ・・・

初めて会った時に感じた高慢。

ノンキャリアの癖に、キャリアの私に食ってかかってきた・・・

 

 

岬さんを見つめるお前の・・・

光り輝く・・・笑顔・・・

 

 

 


向日葵・・・か。

お前に捧げるにふさわしい・・・

そんな花だと思わないか?

清田・・・

 

 


「向日葵の花束ですか?」

 

店員の驚いたような声が店内に響き渡る。

彼は、少し顔を赤く染めながら頷いた。

 

「ええ、出来ますか?」

 

店員は、不思議に思いながらも、注文通り向日葵の花束を作り始める。

彼・・・榊は店員から受け取った花束を黙って見つめた。

 

 

行こう・・・

清田に会いに・・・

 

 


彼は、一つの墓標の前で足を止め、手にしていた花束をその前に置いた。

 

 

 

「向日葵の花束なんて・・・買うの恥ずかしかったんだぞ・・・」

 

 

 


そう言って彼は、照れたように笑った。

 

 

 

 


榊は惹かれたのだった。

夏ももう直ぐ終わりだというのに、まだ咲いている向日葵・・・

太陽の分身のように、咲き誇り、

夏が終わると、潔く枯れてしまう。

 


清田・・・

お前の笑顔も、太陽のようだったな・・・

 

 

 


夏の終わりと共に多くの種を残し、散っていく向日葵。

お前もまた、多くの物を残していったな。

 

 

 

 

岬さんには、約束を・・・

上田君には、子供を・・・

私には・・・?

 

 


でも・・・清田・・・

私には何を残してくれた?

 

 

 

 

私は、はじめお前を恨んでしまった。

私には思い出以外何も残さなかった・・・

そう思ったから・・・

でも・・・

私は気がついたんだ・・・

さっきだがな・・・

 

 


私は、お前を見つめるだけで・・・

遠くから、見守るだけで幸せだった・・・

 

 

お前と岬さんの理想・・・

内心では、共感を覚えていたんだ。

 


だから・・・

私は、お前の代わりにはなれないけれど・・・

お前の分まで・・・

岬さんを私なりの方法で支えようと思う・・・

 

 

それが私の残された道。

示してくれた道だと思うから・・・

 

 

「清田・・・お前に報告があるんだ。」

 


なあ、清田・・・

お前はおこるか?

 

 

私は、清田・・・

今でも、お前が好きだ・・・

 

 

でも・・・

上田君を守ってやりたいと思うんだ・・・

 

 


彼女の心を・・・

彼女のお腹に宿る命を・・・

お前が残した・・・命を守りたいと思うんだ・・・

 

 

 

 

「私は、秋になったら上田君と結婚をする・・・」

 

 

 


清田・・・

私は・・・上田君と二人でお前の残した命を育てていきたいと思う。

 

 

 

彼女は、お前を愛していた

私も・・・いつのまにか・・・愛していた

 


だから・・・

泣きじゃくる、彼女が憎くて・・・

哀れで・・・愛しかった

 

 

彼女を守りたい・・・

そう思う・・・

 

 

 

彼女の中に残された命を・・・

お前の生命を受け継いでいく

未来ある子供を

守っていきたい・・・

 

 

 

 


そう思うんだ・・・

 

大切に育みたい

愛をたっぷり注いで・・・

愛してやりたい

だから・・・

 

 

 

 


「お前は、許してくれるか?」

 

 

 


岬さんじゃなく・・・

私が、お前の残した命を守っていく事を・・・

 

 


榊の呟きに答えるかのように、

一筋の優しい風が吹いた。

 

 

 

 


夏最後の風、秋を運ぶ風。

実りの多い秋を・・・

 

 

 

 

 


とても、優しい風だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

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since 2009/01/17~
ぱちぱち♪ーー更新履歴ーー
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2009,06,21

素敵サイトさま、1件。1月31日。じゅん創作、運命は、奪い与える。本編、番外。全掲載完了。
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